SiBUCのページ

SiBUC(シブック)とは.....

陸面の状態は非常に多様です。 全球規模で考えれば,陸面の中で都市水体の割合は小さく, 従来の陸面過程モデルでは省略されてきました。 しかしながら,これらの面積割合は小さくても, 水・熱収支特性が植生地とは全く異なるため, 都市や水体の影響が小さいとは言い切れません。 また,今後は全球モデルの空間分解能も高くなることが 期待されますので,ますます陸面の多様性を正確に記述 できるモデルが必要となります。

そこで,生物圏モデル(SiB)に都市と水体の効果を加え, 陸面過程モデルの精度を向上することを目的に 開発したのがSiBUC(Simple Biosphere including Urban Canopy)です。
名前に水体(water body)のことを入れると読めなくなるので, 入っていません;^^)。
つまり,SiBUCでは1つの陸面グリッドの中を都市,水体,植生地に 分類し,それぞれの領域でフラックス計算をし,その合計 (面積割合で加重平均)を大気側に渡します。3つの領域での計算が 並列なので,モザイクモデルと言えます。

SiBUCの植生モデルをSiBから SiB2にバージョンアップすべく,勉強中です(そうなるとSiB2UCか?)。 SiB2は衛星リモートセンシングデータを活用して,現状の植生状態や それに対応したパラメータを推定するので,現時点では最もすぐれた 陸面過程モデルであると思います。

気象庁の数値予報モデルJSM(Japan Spectral Model)の 陸面過程にSiBUCを組み込んで( JSM-SiBUC結合モデル), テスト計算をしています( 計算例1(降雨量)計算例2(蒸発量))。

今年度はオクラホマ大学で開発された数値予報モデル ARPS (Advanced Regional Prediction System)にSiBUCを組み込んで 琵琶湖流域の計算をしたいところです。

SiBUCの予報変数

顕熱フラックスと抵抗

潜熱フラックスと抵抗

乱流輸送過程

放射過程(2流近似)

田中賢治のページへもどる。

E-mail : tanaka.kenji.6u@kyoto-u.ac.jp