Eppley PIR から長波放射量を計算する方法
V_ac : サーモパイル出力(PIRのA_C間電圧)
K : 感度定数(検定表に載っている値
Td : ドーム温度(PIRのF_G間の抵抗を、変換表(式)で温度になおしたもの)
Tc : ケース温度(PIRのD_E間の抵抗を、変換表(式)で温度になおしたもの)
sigma : ボルツマン定数(5.67e-8)
C : ドーム補正係数
とすると、放射量Rinは、
Rin = V_ac/K + sigma*Tc^4 - sigma*C*(Td^4 - Tc^4)
と表される。(右辺第1項+第2項)がドーム補正を行わない放射量で、
第3項がドーム補正項である。
PIRでは、Tcを計測するサーミスタがもうひとつ別についていて、
これによる計測値をPIR内蔵の補償回路で処理して sigma*Tc^4 分の
電圧をつくり、このぶんの下駄をはかせた出力(第1項+2項)が、
A_B間電圧(V_ab)として出力される。
つまり、放射量の求め方は
1) Rin = V_ab/K (A_B 間の電圧だけを計測する)
2) Rin = V_ac/K + sigma*Tc^4 (A_C 間の電圧とD_E間の抵抗値(温度)を計測する)
3) Rin = V_ac/K + sigma*Tc^4 - sigma*C*(Td^4 - Tc^4) (ドーム温度補正をする)
1)では1チャンネルだけで計測できるが,内部電池の電圧の影響を受ける。
3)では計測に3チャンネル必要となるが,昼間にドームが加熱される場合には
3)のような温度補正を行なう方がよい。
参考文献は「塩原・浅野(1992):気象研究所報告、43巻17-31」です。