研究内容

Research topics
分布型流出モデル、陸面過程モデル、地下水モデル、水質モデル、土砂輸送モデル、食物連鎖モデル、作物生育モデル、貯水池操作モデル、社会経済モデル等から構成される「統合水資源管理モデル」を開発しています。本モデルは物理的水循環モデルをベースに、いわゆる自然の水循環を記述するだけではなく、貯水池による洪水流量の調節、各セクターからの水需要の推定、その需要を満足する貯水池からの放流といった人工系の水循環も合わせて記述でき、社会経済モデルにより社会構造の変化を取り入れれば社会条件と自然条件の双方を考慮した総合的な水資源管理が可能になります。
山岳域から沿岸域までの流域一環とした解析、湿潤域から乾燥域まで様々な気候帯での解析、地域規模から全球規模まで様々なスケールでの解析、貧観測流域での解析を可能とすべく、世界の様々な機関で整備公開されている各種地理情報、統計情報、衛星観測情報、地上観測情報、気象モデル出力情報を統合します。現在の水循環システムの信頼性診断、水資源管理支援、将来気候変動下での洪水リスク、渇水リスク、生態系リスクの評価並びにリスク低減策の検討等への応用を目指します。

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気候変動監視およびリスク評価

従来、災害の発生は対策の実施を決定する契機となってきましたが、非定常条件下では、外力が時間とともに大きくなることがあるのでこれを見据えた対策が不可欠です。水関連災害外力を監視するためのモニタリング手法を開発するとともに、適切な政策決定が行なえるよう気候変動による将来の水関連災害リスクの評価に取り組んでいます。

水資源への気候変動影響

地球温暖化により降水量やその時空間分布が変化し、冬季の降雪が降雨に変わる可能性があります。これにより、例えば、河川流量の流況が大きく変化する可能性があります。将来の社会経済シナリオや気候シナリオを踏まえた水需要の変化を考慮しつつ、我が国および世界の主要河川において将来利用可能な水資源量の評価に取り組んでいます。